髙島屋スペースクリエイツという会社のルーツを辿ると、1878年(明治11年)まで遡ることができます。いわば、髙島屋グループにとってのインテリア事業の始まりです。京都が創業地であるため、美術染織品や工芸品にルーツがありますが、先達たちは、そこに止まらず、やがて絨毯や窓掛け、椅子張地など様々な室内装飾の制作に発展していきました。
それから1世紀を優に超える時間の中で紡いできた当社の変わらぬ想いや精神とは何か、と問われると、私は空間環境のデザイン・創造を通じて、お客様の夢や想いをカタチにし、空間として新たな価値を創造することであったと考えます。それは更に進化し、我々従業員を含め、その仕事に携わり、そこで過ごされる方々に、心豊かな気持ち、更には“幸せ”そのものをもたらすことを期待されています。
当社は2023年度、「こころざし」を策定しました。これは単なるスローガンではありません。今後、当社の持続的成長、当社の未来に向けて全員が大事にしなければならない共通の価値観であり、当社が今後も存続するための社会的意義でもあります。
当社は現在、2026年をターゲットに、中長期経営計画を策定し、この3年で大きな飛躍をしようと考えており、その中で、「こころざし」に深く根差した3つの課題を掲げています。
1点目は、「ESG経営の定着」です。売上や利益など事業活動で生み出す「経済的価値」と、様々なステークホルダーに対する有形無形の「社会的価値」を同時に追求するのが、ESG経営の本質、と捉えており、環境や社会への配慮や健全な経営管理体制の構築を通じて、その活動を深化させていきます。
2点目に、「人的資本経営の確立」です。当社にとって、文字どおり「人は全て」であり、人的資本経営(=人を大切にする経営)は、当社における最大の経営課題です。今後、人的資本の充実とエンゲージメントの向上に向け、あらゆる政策を発動し、人材への投資を活発化していきます。
3点目に「まちづくり戦略の推進」です。髙島屋グループの総合戦略である「まちづくり」を、グループ会社の一員である当社も推進していきます。空間を取り巻くエリア全体や館そのものの魅力度を高め活性化を図るために、「まち」に対して広い視野を持ち、我々が創造できる付加価値は何なのかを考え続け提案していきます。我々は、多様なソフト力とハード力を掛け合わせ、業界随一の「トータルソリューション企業」を目指します。
今は正に激動の時代です。
内装業界を取り巻く環境も大きく変化しています。これからも当社は時代の要請に常に対応しながら、当社が持つ社会的意義を果たし、持続的成長を志向していきます。
これからも髙島屋スペースクリエイツに対するご支援・ご愛顧を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
代表取締役社長山下 恭史